Los Angeles 生活19年目になるSHIN MATSUIですが、最近のYoutubeを観ていて気になる企画があります。怖いもの見たさで、結構観ている方も多いのではないですか?
「危険な地域に行ってみた!」企画です。
その企画、本当に撮影に行っても大丈夫なの?
正直、見ていて怖いです。そして、彼らはそこまで自分がリスクを背負っていることを自覚しているのか疑問に思いますが、まぁそこまで深く考えていないでしょうね。視聴者数のことしか考えていないかな。。。
私は、18年前になりますがシルバージュエリーブームと共に、ロサンゼルスのデザイナーの撮影をする為、ロサンゼルスに移住してきましたが、同時に始めた雑誌企画が「ロサンゼルスの街角HIP HOPファッションスナップ」でした。 やはりHIP HOPと言えば、アフリカ系アメリカ人が対象になっていたので、ゲットーな場所へ撮影に行くことが多くなってました。その結果、写真を撮った被写体の中に凶悪犯で全米指名手配になっている犯人も写っていると言うことで、写真を国の組織に没収されてから、このままだと命に関わると感じてこの企画の仕事はやめました。
その間経験したことは、映画に出てくるシーンの様なことばかり。銃やドラッグなんて当たりまえ。時にはストリートファイティングが行われている場所に行ったり、ピットブル(犬種)を戦わせるところに行ってみたり、いつの日かギャングの中にズッポリ入り込んでいたんです。その頃、いろいろと教えてくれていたギャングの知り合いに、これだけは注意する様に言われていた事があります。それは。。。
撮っていいストリートと撮ってはダメなストリートがあるからよく覚えておけ!撮ってはいけない場所では、カメラを持っているだけで襲われる事だってある。そいつらを俺たちは止めることが出来ないから、そのエリアをよく覚えておくように。
と言われ、一緒に車で案内されたことがあるんです。一見何も変わらないストリートで、全く他のストリートと見分けはつかない。だからストリート名で覚えるしかないんですよね。
そのストリートには何があるのか。。。
彼らの中では “STUDIO”と呼んでますが、そこが5〜8人で所有しているグループのアジトなんです。アジトには、武器と金とドラッグを隠しているんだけど、外から見たらそこは普通の住宅街にある一軒家。。そしてそのSTUDIOから徒歩圏内のヤード(裏通り)で、ドラッグの売買が行われていることが多い。
これを聴いたら、皆さんは大体察しがつきますよね。
そうなんです。そんなストリートで動画撮影をしているアジア人がいたらどうですか?
アジトを撮られている!
ドラック売買の現場を見られた!
となると、当然狙われますよね。
狙われたらどうなる。。。
命があればラッキーでしょ。持ち物は全て盗まれ、着ているモノも脱がされ、ボコボコに殴る蹴るの暴行を受けた後、トランクに乗せられ自分たちの縄張りから外れた所に捨てられておしまいです。持ち物を全て没集するのは、本人確認がすぐに出来ない様にする為です。そして、縄張りから外れた所に捨てれば、自分達の事もバレにくくなる為。そもそも、白人以外の殺人や暴行事件に関しては、警察もそこまで捜査をしないと言うのが現実です。
面白半分でゲットーな場所に行き、Youtubed動画の撮影をすれば、視聴者数は上がるかもしれませんが、それ以上のリスクがあることを肝に銘じておいてもらいたい。 狙われたら最後です。命が助かったとしても身元不明の扱いで、意識が戻り身元も判明してくれればいいですが、そのまま意識が戻らなければ。。。。 そう考えるとゾッとしますよね。 事件が解決して犯人が捕まる事を求めてはいけません。同情をしてくれる人はいますが、一緒に解決に向けて協力してくれる人はいません。被害者になっても待っているのは治療費の請求のみです。1週間意識が戻らなければ軽く治療費用の請求が1億円は超えるでしょうね。
あなたは、Youtube撮影でそこまでリスクを背負いますか?
LIGGIC / SHIN MATSUI